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うっちーの時々かめらまん

たまにしか写真を撮らない「時々かめらまん」。日本とブラジルで時々撮った写真をUPします。ご笑覧いただけると幸いです。

至福の時


愛用のカメラが調子を崩した時ほどガックリ来ることはない。それゆえ、調子を取り戻すことができた時は望外の喜びである。
昨年2月以来、主力として使ってきたRTS IIのミラーズレ補修、各部調整を小畑カメラサービスさんにお願いした。ミラーズレ以外に大きな不具合はなかったが、シャッターの微調整と、できる限りのコマ間不揃い是正をお願いした。後者は部品交換なしで出来る範囲なので完全に元の状態に戻すのは難しいそうだが、かなり丁寧に調整いただいた。これで今年入手し、修理してもらって完璧に復調したデッドストック品と合わせ、RTS IIの2台体制が出来たわけである。きっちりメンテナンスされた2台であり、これ以上の喜びはない。



左が今回修理いただいた主力のRTS II。右が前回修理いただいたデッドストック品。

2台を防湿庫から取り出し、机の上に並べ、眺めながらニヤニヤしている・・(笑)。あらためて小畑カメラサービスさんに御礼申し上げる次第である。ああ、メンテナンスされたこの2台で、どこか遠くへ撮影に行きたいなぁ、と思う今日この頃・・。それはすぐにはかなわないが、こうして2台並べて眺めているだけでも至福の時である。

ちゃんと写真を撮るためにメンテしたんだから、眺めてばかりいないでガンガン撮ってくださいよ、って小畑さんから怒られちゃいそう・・(汗)。



  1. 2007/12/12(水) 20:00:00|
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Leica M3 System


以前、ライカM3がまるで水没したかのように錆が廻ってしまったのは既報の通り。その後、高速シャッターも心もとなくなり、ずっと防湿庫暮らしだったのだが、今回、意を決して、ズミルックス50mmF1.4、ズマロン35mmF2.8、エルマリート90mmF2.8ともども、オーバーホールに出すことにした。

お願いしたのは、ライカ修理で有名なフォトメンテナンスヤスダさん
ボディの錆は相当ひどかったらしく、「出来る限り錆落としましたが、残念ながら、一度錆びた個体はまたすぐ錆ちゃうんですよねぇ」と言われた。完璧を期したい修理の達人には、まことに申し訳ない錆落としOHのお願いだったに違いない。ズミルックス50mmはヘリコイドがガタガタになっており、レンズクリーニングに加え、絞りリングやヘリコイドへのグリスアップをお願いした。ズマロン35mmはレンズが曇っていたのでレンズクリーニング主体のOH。エルマリート90mmはヘリコイドへのグリスアップやグッタペルカの貼り替えをお願いした。
これらは父の遺品なのだが、父が他界してからちょうど20年、エルマリート90mmは一度カビが生えたところを研磨してもらったが、あとは少なくとも20年間メンテしてなかったことになる。冬のボーナスが出て、たまには物欲に走るのではなく、手持ち機材のメンテをしっかりやろう、と思った次第。D300のレンズキットが買えるぐらい修理代がかかってしまったが(汗)、親子二代に渡って使えるなら仕方あるまい。



最初に修理から戻ってきたM3とズミルックス50mm

修理完了し、手にした第一印象は、「えっ、ぜんぜん今までと感触が違う・・」だった。
ボディの一番の違いは、シャッターフィーリング。シャッター周りの部品を色々交換した上に万全の調整をしてくださったようで、メチャ軽快な音である。「ジャッ」vs「シャッ」ぐらい違う(文字にするとあまり違わないか・・苦笑)。ライカM3のシャッター音は心地よいことで有名だが、今まで、ふ~ん、これがいい音なわけ、と思っていた。実はそれは出来の悪い音だったのであって、本来の音はこれだったのだ。なるほどこれなら皆さんが絶賛されるのもよくわかる。



後から戻ってきたズマロン35mmとエルマリート90mm

レンズは3本ともクリーニングでチリひとつなくなったのはもちろん、ヘリコイドの動きが極めてタイト&スムーズになった。ズミルックス50mmなどはヘリコイドの磨耗が進行して元のタイト感に戻すのは無理だろうと諦めていただけに喜びもひとしおである。

オヤジが散々使い倒してもう元を取ったカメラだし、レンズもだいぶ痛んでいるし、ということで、防湿庫の奥底でひっそりと余生を送っていたライカM3とそのレンズたち。ここまでメンテいただいた以上、これからは積極的に使っていきたいと思う。











  1. 2008/02/17(日) 20:00:00|
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TVS II 修理


CONTAX TVS IIが突然不調になってしまった。シャッターを半押しするとオートフォーカスが作動するのだが、いつも最短距離に合焦してしまう。これじゃどうしようもないので京セラのサービスセンターに修理依頼した。




結局、フォーカスダイヤルを交換することで直ってきた。ついでに傷んでいた裏ブタラバー部も交換。う~ん、こういう故障もあるのか、という感じだが、まあ、精密機械に故障はつきものなので、とやかく言うのはやめて復調したTVS IIを愛でるとしよう。



  1. 2008/02/26(火) 20:00:00|
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Planar 135mm F2 & Distagon 35mm F1.4


手持ちのY/Cマウントレンズの中でも一際お宝なレンズ2本。特に致命的な不具合があったわけではないが、コンタックスクラブ会員割引があと1年ちょっとに迫っているので、今回、思い切ってOHに出した。




プラナー 135mm F2
中玉を中心にレンズが汚れていたのと、前玉裏側の縁に何かキラキラ光る異物があったので(最初はレンズが欠けているのかと思った)、レンズクリーニング中心にオーバーホール。見事に綺麗になって帰って来た。

ディスタゴン35mmF1.4
なんとなく絞り開放の描写が甘いなぁと感じていたので、元々その程度なのよ、と、わかっていながらMTF測定・調整を中心にオーバーホール。修理伝票によれば、マウント部の部品が交換され、フランジバックが調整されていた。絞り開放の描写はこれからのお楽しみだが、ピント精度にかかわる部品が交換されたところをみると、やはり、ちょっと狂っていたのかもしれない。


レンズのOHは、しょっちゅう必要なわけではなく、一度OHすれば20年以上はOKだろう。しかしながら、AEレンズは製造中止になったのが20年ぐらい前なので、今まで一度もOHしていないとすると、そろそろOHする時期に来ている個体が多いと思う。コンタックスのサービス期限は2015年。まだまだ他のレンズにもOHしたいのがあり、いっぺんには無理だが、少しづつ修理に出していきたいと思う。



  1. 2008/03/07(金) 20:00:00|
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3台目のRTS II


一昨年、RTS II欲しさに委託販売でジャンク品をつかんでしまったのは既報
の通り。

その後、健全なボディを2台入手し、更にはそれをメンテしてもらってRTS IIの2台体制が出来上がっていたが、最初に入手したジャンク品をダメ元で小畑カメラサービスさんへ送ったら、何とバッチリ直してもらってしまった(嬉)。




かくしてRTS IIの3台体制出来上がり・・。う~ん、3台まとめて持ち出すのはちょっと考えにくいので、どれか1台は予備でお留守番、ということになるが、いざ1台が不調になっても2台はちゃんと使える、というプロカメラマンのような状態になってしまった。ゼータク過ぎるかもしれない・・。

それにしてもこの3台目(というか入手順は1台目)のRTS II、ファインダーの無限遠が狂っている、低速シャッターが切れない、というのが主な不具合だったが、それ以外にも巻き上げの最後に抵抗があり、実はそれがかなり重症だったようだ。小畑さんのメールによれば、
「ミラーUP関係の部品破損、ブレーキ部品も破損していました。シャッター部品も破損し、巻き上げに影響して、セット不足になり巻き上げ最後に重くなっていました」
とのこと。そして、ここからが、匠のこだわり、達人のなせる技だと思うのだが、
「前に一度修理出来上がりましたが、なにか全体の感触気にいらず、総分解して再度調整し組み上げました」
とのこと。修理の名人は、調整の総合的な結果として出てくる「全体の感触」にもこだわりを持っているのだ。そしてそれを実現できる恐るべき職人技・・。小畑さんのHPに載っている分解されたボディを見ると、一度バラして組み立てるだけで途方もなく根気のいる作業のように思えるのだが、それをもう一度最初からやり直す、というのは、どう考えても匠のこだわり、としか言いようがない。まあ、修理完了の第一報が、
「修理内容、すごかったです」
というところをみると、めったにない重修理だったようではあるが、それをやってくださった小畑さんに感謝、感謝である。

かくなる上は、この3台目のRTS II、小畑さんの熱意に応えてしっかり活躍させなくては、と思う。セット不足の不具合は、部品がないので調整だけで対応していただいており、なかなか完璧にはいかないようなので、再発しないかどうか傾向観察しながら使い始めている。

それにしても、どうです? こういうメンテ体制があれば、古いRTSやRTS IIでも安心して使えると思いません?



  1. 2008/03/13(木) 20:00:00|
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Leitz Minolta CL


ライツミノルタCLといえば、ミノルタが天下のライカと1973年に共同開発したライカMマウントの小型カメラ。露出計内蔵の小型Mマウントカメラとして人気がある。ライカブランドではライカCLとして売り出されたが、ロゴが違うだけでモノは同一である。
標準レンズはMロッコール40mmF2。ライカCL用はズミクロンM40mmF2。両者の光学系は同一だが、フィルター径が微妙に違い、ラバーフードもそれぞれ専用なのでご注意。

さて、我が家のライツミノルタCLは、70年代の終りに量販店で新品を購入し、以来、コンタックスT2に取って代わるまで十数年オフクロの愛機として活躍したモノ。あちこちぶつけてボコボコになっており(ぶつけたのはオフクロではなく時々借用していたオヤジの方らしいが・・)、その度に距離計像の上下がずれて修理していたが、不思議とこのカメラの泣き所である露出計はなんとか生き延びていた。

今回、いよいよ不安定になってきた露出計の修理を中心にメンテすることにした。お願いしたのは古いミノルタカメラの駆け込み寺として有名なエムオーティーさん。こちらでは、このCL以外にもXEやXDなど、かつての名機を修理してもらえる(目に毒・・汗)。Mロッコール40mmF2もグリスが抜けてしまってピントリングがガタついていたので、こちらのグリスアップもお願いした。




さて、完調なったライツミノルタCLとMロッコール40mm。結局、受光素子のCdSは交換せず露出計は調整だけでなんとかなったようだが、エムオーティーさんでは、必要ならCdS交換の重修理もできるそうだ。Mロッコールはピントリングがタイト&スムーズになっていい感じ(嬉)。

出張のお供はすっかりミノルタCLEにその座を奪われていたが、次回チャンスがあれば、このCLをお供にしようと思う。ただ、最近は出張に行っても写欲が沸かず、どこにも立ち寄らずに帰ってきてしまうことが多いのよねぇ・・(汗)。



  1. 2008/03/22(土) 20:00:00|
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AX修理


コンタックスAXが時々ミラーアップしてしまうようになった(汗)。う~む、やな故障だな、と思ったのだが、どうもレンズを着けなければ大丈夫。ということは・・。
やはりミラーズレだった。RTSIIの時はレンズを外すとミラーは復帰したが、AXはなぜかミラーアップしたまま戻ってこない。レンズを外し、もう一度シャッターを切ると正常に戻る。また、データバックD-8の露出まとめ書き込みも文字が重なるようになってきた。フィルム送りが微妙にすべっているようだ。

というわけでサービスステーションへ持ち込み。AXは補修期限を過ぎているが、「部品の関係で修理対応できないことがあります」という但し書き付きで修理を受け付けてもらえた。ついでといっては何だが、1980年に中古で入手して以来、レンズクリーニングぐらいしかメンテしたことのないプラナー50mmF1.4もオーバーホールしてもらうことにした。こちらもAEタイプで補修期限を過ぎているので、同様の但し書き付きである。

3週間ほどして修理完了の連絡があり、取りに行った。






AXの修理伝票には、
・ メインミラー位置ずれのため作動不良、分解修正
・ 裏蓋圧板ベース作動修正
・ 一般検査実施
とあった。まだ撮影して確認していないが、これでしばらくはまた快調にAXのAFを楽しむことが出来るだろう。

驚いたのはプラナー50mmF1.4のOH。伝票を見ると、
・ 鏡胴分解清掃、バヨネット交換
・ ヘリコイド分解洗浄、グリス交換
・ 各部点検調整、レンズ清掃、MTF調整
ん?ヘリコイド分解洗浄??
なるほど、よく見ると、今まで黄色くくすんでいたピントリングや絞りリングの文字が、くっきりと真っ白になっている!絞りリングのクリックはカチッと気持ちよく決まるようになったし、ピントリングの重さもバッチリ!!光学系がピカピカになったのはもちろん言うまでもない。

けっして格安の修理費ではないが、京セラのサービスセンターでレンズをOHすれば、確実に新品同様のフィーリングを取り戻せることをあらためて実感したのであった。



  1. 2008/06/14(土) 20:00:00|
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コンタックス修理のすすめ


コンタックス製品の修理に関して、情報をまとめて記載させていただく。ご参考になれば幸い。

(1)修理対象
京セラが補修サービスを行っている機種は、ボディ、レンズとも、
http://www.kyocera.co.jp/prdct/optical/news/repair050701.html
に記載されている通りだが、このリストで補修サービス期限が来てしまっている機種でも、補修部品が揃っていないというだけで、頼めば限定的な修理は受け付けてもらえるようである。AEタイプのレンズも軒並み補修サービス終了となっているが、今まで断られたことはなく、(これからはどうなるかわからないが)今のところ受け付けてもらえるようである。
しかしながら、このリストに載っていない古い機種(RTS、139Q、137MD、137MA、RTSII、159MM、T)は、基本的に限定的な修理も受け付けてもらえない。これら古い機種は、札幌の小畑カメラサービスさんにお願いするのが賢明だろう。長らく京セラの外注としてこれらの機種のメンテナンスに従事されてきたので、知識・経験も豊富であり、補修部品も揃っていて(ジャンク品から取ったB級部品のこともあるが実用十分)、安心してお任せすることができる。全くもって貴重な存在である。

(2)補修サービス期限
上記リストを見てわかるとおり、2015年4月ですべての機種の補修サービス期限が来るので、その時点で京セラの補修サービスが終了する可能性が高い。あと7年ぐらいである。サービス終了直前は駆け込み需要が多そうなので、今から計画的にOHしておくことをお勧めする。
ボディは直しても直しても再発、ということが起こりうるので何ともいえないが、普通なら、一度OHすれば、最低でも数年は安心して使えるのではないだろうか。
レンズは、こうした「専門医」の手に委ねなくとも分解・清掃ぐらいは出来ると思うが、京セラに持ち込めばMTF調整も含む完全なOHをしてもらえるので、今のうちにOHすることをお勧めする。一度OHすれば、普通のアマチュアの使い方なら10年、20年と健全な状態を維持できると思う。

(3)申し込み方
補修サービスの申し込み方には二通りある。いずれの場合も見積が出た段階で連絡があり、修理続行可否を選択できる。詳しくはこちら。
http://www.kyocera.co.jp/prdct/optical/support/inquiry.html

1)窓口に持ち込む
京セラの修理品持ち込み窓口は、現在2ヶ所。併設されているコンタックスサロンは2009年3月末で終了予定だが、サービスステーションはまだ存続の様子。

① 京セラ・東京サービスステーション
〒100-0006 東京都千代田区有楽町2-10-1 東京交通会館7F
TEL 03-3217-5811 日曜・祝日を除く10:00~18:00

② 京セラ・京都サービスステーション(2007年12月27日に移転)
〒604-8027 京都市中京区川原町通蛸薬師下ル塩屋町327-1 三條サクラヤビル6F
TEL 075-255-7131 水曜日を除く11:00~19:00

修理完了品は、受け取りに行って現金支払い。修理依頼は持ち込みで、修理完了品は宅配便で送ってもらって代引き支払い、という方法も可能。

2)直接送付する
修理依頼票に必要事項を記入し、下記サービスセンターへ宅配便等で送付。修理依頼票はこちら。
http://www.kyocera.co.jp/prdct/optical/support/data/repair_sheet_080225.pdf

京セラ・岡谷サービスセンター
〒394-8550 長野県岡谷市長地小萩3-11-1
TEL 0266-27-2183 土日・祝日以外の9:00~17:00
修理完了品は宅配便で送られてくるので、修理代金+送料を代引きで現金支払い。

(4)修理代
こればっかりは程度によって異なるので、はっきりはわからない。今までの経験だとOHの場合、ボディ1台、あるいはレンズ1本あたり、部品代+工賃で2万円~2万数千円程度だった。RTSIIIなどの高級機や特殊なレンズのOHはもっとかかるのだろうが、数万円に及ぶことはないと思う。逆にボディの簡単な修理でも1万円程度かかることが多かった。また、レンズは今のところ限定修理ではなく必ずOHされるので2万円前後かかってしまう。格安で入手した中古品のメンテナンスに2万円もかけるのはいかがなものか、買い直した方が得策なのでは、というケースもあろうが、買い直しても健全なものが入手できるとは限らないので、一度手にしたのも何かの縁、と思って修理するのもひとつの考え方だと思う。スレやキズはなくならないが、各部の動作は極めてスムーズになるし、内外ともピカピカに清掃してくれる。コンタックスクラブの会員であれば20%OFFであるが、クラブ会員の新規入会申し込みは既に終了しており、クラブそのものも2009年3月末日で終了の予定である。


なんだか京セラ・カスタマーサービス提供のようなエントリーになってしまったが(汗)、皆さんのコンタックスが末永く活躍されることを祈念してご紹介した次第。




  1. 2008/06/22(日) 20:00:00|
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小畑カメラサービス訪問記


11月に北海道へ行った時、目的がふたつあった。ひとつは札幌・小樽の観光、もうひとつはコンタックスの修理でお世話になっている小畑さんにお会いすることだった。

新札幌の駅まで迎えに来ていただき、ご自宅へ。



CONTAX 137MA Planar T* 50mm F1.4 F2.8 AE PN400N
玄関には控えめな「小畑カメラサービス」の札が・・。自宅の二階が仕事場なのである。

三十数年来カメラの修理に従事し、二十年前にコンタックス修理の外注として独立、以来、コンタックスの修理一筋でやってきたとか。最盛期には年間1000台以上の修理をこなしたという(驚)。ただ、決して手抜き修理はしなかったようだ。奥様の話だと、

「当時、京セラの札幌営業所の営業マンが、『納期が遅れるから、お客様が指摘した不具合箇所だけ限定修理して、チャチャっと上げてくださいよ』とおっしゃるので、ワタシも『そうよ、そうよ。忙しいんだからそうしたら?営業の方の言う通りよ』と言ったら、日ごろ温厚な主人が烈火のごとく怒り出して、『そんな修理は俺はしない。撮ろうと思ったときにちょっとでも不具合のあるカメラはカメラって呼ばないんだ』なんて言いましてね。ああ、この人、職人なんだなぁ、って思ったんですよ(笑)」

ってこともあったのだとか。

「カメラを触ってみて、ああ、あそこのグリスが切れてるんだな、と思ったら、一箇所グリスをさすために全部バラすこともあります。そうしないと気が済まないんですよねぇ・・」

ということなのだそうである。

当時、コンタックスの一眼レフの修理は、京セラ岡谷工場と原宿の京セラプロラボ、そして札幌の小畑さんが一手に引き受けていたらしい。コンタックスという高級ブランドは、こうした質の高いメンテナンスサービスによって支えられてきたのである。



CONTAX 137MA Planar T* 50mm F1.4 PE-20S F8 AE PN400N
初代RTSのスケルトン。ジャンパー線が飛び交っていたりして、普通の修理屋さんでは尻込みしてしまうモデルである。


さて、古いコンタックス機種のユーザーとしては、部品の枯渇による修理不能、という事態が一番怖い。現に京セラではRTS、RTSII、139、137MD、137MA、159MMなどの古い機種はもう修理を受け付けていない。これらの機種が小畑カメラサービスの対象機種になっているわけだが、このあたりの事情をお聞きすると・・

「長年それらの機種の修理をやってきたので手持ちの部品はあるんです。もちろん外観パーツなどは枯渇しているものが多いですが、機能部品はまだ十分ストックがありますし、ジャンクボディもかなり持っているので、機能回復であれば今でもかなり対応できるんですよ」

とのこと。一安心である。と思ったら、意外なお話が続く・・。

「むしろ怖いのは、中古価格が下落してしまっているので、壊れたカメラを修理に出すより別の中古を買った方がいい、となって、修理依頼が来なくなってしまうことなんです。中古価格の安い137MD/MAやFX-3などは、壊れにくい丈夫なボディということもあって、補修部品は山ほどあるんですが修理依頼は減っています。補修部品がまだ一杯あるのに修理依頼が来なくなって廃業、なんて考え出して眠れなくなってしまうこともあるんですよ」

と、我々ユーザーとはまったく逆の悩みを抱えていることがわかった。たしかに二階の仕事場は補修部品を詰めた段ボール箱が所狭しと並んでいて、足の踏み場もないくらい・・。コンタックスプレビューなどというレアもののカメラの部品も潤沢に揃っていた。中古を買い直してもそれが完全な機能を維持している個体とは限らない。むしろ、20年以上も使われてきた個体となれば、どこか不具合があるのが普通・・。やはり古いボディはきちんとOHしてもらい、グリスアップを始め各部を調整してもらうのがスジではないだろうか。たとえ同じコストがかかっても、中古を買い直すよりはるかに信頼のおけるボディを手にすることができると思う。



もうひとつ、小畑さんのところを訪問して聞きたかったのは、どうやってシャッタースピードやAEの精度をチェック、調整しているか、という点。なにしろ、修理品を送ると、しばらくしてシャッター精度やAE精度の詳細な測定結果がメールで送られてくるので、どうやってるのかな、と思っていたのである。


それがこちら。



CONTAX 137MA Planar T* 50mm F1.4 PE-20S F8 AE PN400N
これはシャッター速度の測定器。各スピードが設定どおりかどうか、デジタルで表示される。右にあるのはレンズのフランジバック測定器。




CONTAX 137MA Planar T* 50mm F1.4 PE-20S F8 AE PN400N
そしてこちらがAE精度測定器。基準露出に対して何EVズレているかを色々な明るさで測定することができる。手元にあったカメラで実演してくださった。以前、RTSIIの修理をお願いした時、不具合箇所の修理だけでなく、「AEの調整はどうされますか。コンタックスの標準は-0.5EVですが、うっちーさんはネガが主体のようですから露出多めに±0EVにしましょうか。間をとって-0.25EVにすることもできます。ご指定ください」なんてメールをいただいて度肝を抜かれたのだが、この測定器を使って調整すれば自由自在なわけである。


北の地の住宅街の二階で黙々とコンタックスの修理をしてきた小畑さん。多くの人がそうとは知らずに京セラのサービスセンターを通じてその恩恵にあずかってきたわけである。その仕事場を目の当たりにし、そして小畑さんの職人魂に触れ、あらためてコンタックスを使っていてよかったなぁ、と思ったのであった。


それにしても、すっかりコンタックス修理談義に花が咲いてしまい、小畑さんと別れた後、いっしょに記念撮影をするのを忘れていたことに気がついたのは、なんともマヌケな話だった(爆)。



Tag : Planar50/1.4

  1. 2008/12/03(水) 20:00:00|
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駆け込みメンテ


2009年3月末でコンタックスクラブ終了。ということは、京セラでのメンテもクラブ会員割引が3月末でなくなる。そこで、駆け込みでレンズをOHに出した。

メンテに出したのは、ディスタゴン28mmF2.8、ディスタゴン35mmF2.8、ゾナー85mmF2.8の3本。調子が悪いならOHするより買い直したら?といわれそうなぐらい安価に中古を入手できるレンズたちであるが、そこはホレ、一度手にしたら、とっかえひっかえ買い換えたりせずじっくり愛用していきたい、というポリシーに基づきOHに出したわけである。

1)ディスタゴン28mmF2.8
1987年に新品で購入したレンズ。初めてのOHである。ピントリングが軽くなってきていた(=グリス抜け)のと、絞りリングが渋くなってクリックストップがはっきりしなくなっていた。もちろん今回のOHで完調! アマチュアの使用頻度だと、20年というのがひとつのOHの目安かもしれない。

2)ディスタゴン35mmF2.8
昨年中古で買ったばかり。ただ58番台と古いタマだったので程度はあまりよくなく、レンズの汚れ取りや絞りリングの渋さ改善を依頼。コーティングの痛みはなかったので光学系がピカピカになって戻ってきた。

3)ゾナー85mmF2.8
こちらも2年前に中古を買ったばかりだが、その後、旅行のお供としてかなり活躍。最近は無限遠がちょっと狂ってきていたのでOH。光学系がピカピカになり、無限遠を始めあちこち調整されて、新品同様になって戻ってきた。





リトルコンタックス3兄弟と記念撮影。今回から、ディスタゴン28mmF2.8には、ハマーの角型フードを着けてみることにした。かつて、ディスタゴン25mmF2.8に着けていて、すぐ外れてしまうのでお蔵入りしていたのだが、今回、フードとフィルター枠との間を両面テープで固定してみた。カメラバッグからの出し入れぐらいなら外れないようなので、しばらくこれで使ってみようかと思う。実は、このフードの外観って、好きなのだ(嬉)。

と、話は大きく逸れてしまったが(汗)、レンズのOH、今回の3本を加えるとこの3年間で、9本OHしたことになる。今回の3本で、一応、気になっていたレンズはすべてOHを終えることが出来た。



  1. 2009/03/04(水) 20:00:00|
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