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うっちーの時々かめらまん

たまにしか写真を撮らない「時々かめらまん」。日本とブラジルで時々撮った写真をUPします。ご笑覧いただけると幸いです。

レンジファインダー用35mmレンズ考(1)


レンジファインダー用28mmレンズ考(1)(2)(3)などという与太話を記事にしたが、今回は35mmレンズ考である。結論は先にあって、フォクトレンダーのカラースコパー35mm P IIに逝ってしまったのだが、そのときはあまり詳しく選択に悩んだ話は書かなかったので、今回、初心に立ち返り(笑)、RF用35mmの与太話をひとつ。

1.ライカ純正レンズ
何といってもMマウントの35mmといえば、純正レンズであるズミクロン35mmF2が有名。特に1958年に登場した第一世代、通称「8枚玉」の描写は神格化されており、今でも中古が高値で取り引きされている。意外に絞り開放はゆるゆるで絞ればシャープという古典的な特性と言われ、一部には、なんでそんなに特別扱いするの、という声も聞かれるが、この描写にはまると抜けられない魔力を秘めているそうだ。こういうレンズには近寄るまい・・(笑)。

第二世代は1969年に登場、通称「6枚玉」と呼ばれる。枚数が減ったのでコストダウンレンズなどと言われるが、実際はコントラストが改善しているようだ。前期型は絞りリングをレバーで動かすようになっており「ツノ付き」と言われたが、使いにくく不評で、後期型では普通の絞りリングになった。後期型では前玉の大きさも大きくなっており光学系も改良されているようだが、ライカからは正式発表がなく、いまだに謎である。

第三世代は1980年に発表され、コントラストや解像度が一層改良されたと言われる。レンズ構成から「7枚玉」と呼ばれ、全長26mmのコンパクトな外観とあいまって非常に魅力的。一時はこいつに憧れ、出物があれば逝ってしまおうと思っていたが果たせず、最近はデジタルで使っても良好な描写が得られるとかで中古相場は値上がりしてしまい、手の届かないところへ行ってしまった。ああよかった(笑)。


0712Summaron35mm.jpg

でも、やっぱり第三世代はカッコエエ・・。

第四世代は1997年から発売されている現行モデルで、非球面を採用した最新設計である。絞り開放から卓越した描写が得られるそうだが、全長が34.5mmとちょっと大きくなってしまったのが残念。まあそれでも許容範囲内の大きさではある。

さて、35mmといえば50mmと並んでレンジファインダーの主力レンズ。ライカ純正でもズミクロン35mmF2以外に色々とある。明るい方からいくと、ズミルックス35mmF1.4。第一世代は1961年に発表され、絞り開放では大胆な収差が見られるクセ玉なのだが、その魔力を愛する愛好家は多い。30年近く造られ続けたので、光学系の基本設計は変わらないものの、外観やコーティングなど、いくつかのバリエーションがある。末期のモデルはカラーバランスもかなり改善され、今でも実用性があるようである。

第二世代はSummilux 35mm F1.4 ASPHERICALの名で1990年に登場した非球面採用のレンズ。当時のライカはまだ非球面レンズの製造に難渋し(Y/Cなんて1975年からあるのにね)、手磨きでひとつひとつ製造されたらしい。予約を入れても随分と待たされたそうだ。レアモノでめったに市場に出てこないし、たまに見かけてもえらく高値がついている。ただ性能は現行型に劣らず優秀なようである。

第三世代はモールド製法によって生産性を高めた非球面レンズを採用したモデルで、1994年に登場し今に至る。絞り開放からゴーストやフレアはほとんど見られず、極めて優秀な描写性能を誇るらしいが、全長46.2mmはちょっと自分の用途には向かない。

さて、F2よりも暗いレンズ、ズマロンのお話。1954年、ライカM3と同時に発売されたのがズマロン35mmF3.5。1946年からLマウントで発売されていたものをMマウントに焼き直したものだが、F3.5とスペック的に魅力がないので中古市場で比較的安価に出回っている。低コントラストだが階調豊富、という古きよきオールドレンズの描写のようだ。ファインダーの50mm枠を無理矢理35mm枠にしてしまう「メガネ付きレンズ」もこのズマロン35mmF3.5から始まった。メガネ部分は黒のちりめん塗装で、このズマロン35mmF3.5のみ「Leitz Wetzler」のロゴが入り、個人的にはとても好みである。ただ、メガネ付きはメガネが曇っていたりカビが生えていたり、と、あまり程度のいいものが見つからないのが難点。

ズミクロン35mmF2と同じ1958年に登場したズマロン35mmF2.8。レンズ構成はF3.5と同じ4群6枚構成ながら、屈折率の高い新ガラスを使うことでカラーバランスや解像度を改善したと言われる。しかしながら、ちまたではF3.5の方が解像度は優れているとも言われ、まあ、たいした違いはないのだろう。長らくズミクロン35mmF2(第一世代)の影に隠れて地味な存在だったが、近年、ズミクロン35mmF2(第一世代)と同様の魅力的な外観や階調豊富な描写性能が見直され、ちょっと中古相場は上がり気味である。実は、このレンズ、昔から我が家にあり、発色はイマイチだし絞らないと解像度は低いし、で、あまりいい印象がなかったのだが、ちょっと絞り込んで最近の優れたフィルムで撮ってみると、なかなかどうして捨てがたい描写になる。ただ、レンズはちょっと曇ってきていてOHが必要な状態だが、カシメで組み立てられているのでOHも難しそう・・(汗)。


0712Summaron35mm.jpg

古いズマロンに12504フードはちょっとミスマッチではあるが、こういう自由度の高さもライカシステムの魅力・・。


ズマロン35mmF2.8の試写例はこちら


さて2007年発表になったのが、ズマリットMシリーズ。35mm、50mm、75mm、90mmの4本すべてF2.5という実用性重視のスペック。35mmでF2.5は、ちょっと暗い方に属するが、F2.8より半絞り明るいのだから文句は言うまい。35mmレンズは4群6枚の光学系で、MTF曲線を見る限り描写性能はかなりのもののようだが、歪曲は最大1.7%のタル形と、歪曲に不利な一眼レフ用レトロフォーカスタイプのレンズ並みである。

全長33.9mmという大きさは、現行ズミクロンM 35mm F2 ASPH.の34.5mmと同等。少しは入手しやすい価格になるだろうから触手が動かないわけではないが、どうせなら全長30mmを切るぐらいのコンパクトさで登場して欲しかった気がする。

というわけで、ライカ純正だけで盛りだくさんになった第一回はおしまい・・(笑)。



(つづく)



関連記事
  1. 2007/12/01(土) 20:00:00|
  2. カメラ&レンズの話(Mマウント)
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:6
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コメント

Mマウント35mm

おはようございます。
いやー不肖私めのリクエストに応えてくださって本当にありがとうごどいます!
28mmのとき、うっちーさんは雑誌や本に書かれていることと謙遜されていました
が、その雑誌や本だとなかなか本音が書かれていない部分もありますしね。古い
レンズでも異様に値段が高かったりする理由がよくわかったりしてたいへん参考
になります。
で、35mmですね。ズミルックスの35mmは私も使ってみたいなあと思うのですが、
もう高すぎで高すぎで死ぬまでに手にはいるかどうか怪しいです(笑)。ズミク
ロンはコンパクトさといい描写、デザインといい、まさにオールラウンドプレー
ヤーですね。ズマロンの眼鏡はそういう意味があったんですか。そういえばM3は
50mmまでのフレームしかありませんですしね。なるほど。それにしてもライカだ
けでもずいぶん出ていますねえ・・・。
次回は前回の特集で大いに株を上げたヘキサノンとかフォクトレンダー、そして
ZMシリーズでしょうか。いやあ本当に楽しみだなあ。
ということで21mmや50mmの特集もぜひご検討ください(笑)。
  1. 2007/12/02(日) 07:20:09 |
  2. URL |
  3. fortunati #QMnOeBKU
  4. [ 編集]

ズミルックス35mm

fortunatiさん
コメントありがとうございます。
ズミルックス35mm、現行のASPHなら、ノクトン35mmF1.2を
お持ちだと、なぁんだ、ってことになるかも・・。
第一世代は魔性のレンズですから、そういう沼へお入りに
なりたければどうぞ・・(笑)。

そういえばズミクロン第三世代とズミルックス第一世代って、
レンズ構成が酷似している、って話を書くの忘れました・・(汗)。
  1. 2007/12/04(火) 00:05:07 |
  2. URL |
  3. うっちー #oBF86JTA
  4. [ 編集]

第三世代は真ん中にちょっろと
くっついてる一枚が素敵な感じ。
  1. 2007/12/04(火) 19:15:34 |
  2. URL |
  3. chariot #pamUQ3n2
  4. [ 編集]

真ん中のチョロ

chariotさん
コメントありがとうございます。
その真ん中のチョロっと付いた一枚のレンズが鍵なのです。
つまり、1961年製のズミルックス35mmF1.4もまさにその
チョロがついた5群7枚構成。そして1969年発売の
ズミクロン35mmF2第二世代は、そのチョロの一枚だけ
なくした4群6枚構成のいわゆる6枚玉。そして1980年製の
ズミクロン35mmF2第三世代でそのチョロが復活し、
5群7枚構成となったいわゆる7枚玉、というわけ。
なんとも不思議な変遷なのです。
もっともこのチョロを前群と後群に1枚づつつけると
初代ズミクロンの8枚玉になるので、まあ、ズミクロン
だけ追えば、チョロ2枚⇒チョロなし⇒チョロ1枚という
変遷なのですが、他のレンズの曲率などを見ていると、
初代だけ大きく違う気がして、ズミクロン第二世代
以降は、ズミルックスから派生した気がしています。
真相はわかりませんが・・。
  1. 2007/12/04(火) 23:15:15 |
  2. URL |
  3. うっちー #oBF86JTA
  4. [ 編集]

35ミリ、出ましたね。コシナから。
値段も75000円でしたか…。
実売価格も6万円台でしょうか。
我々にはこのくらいが「程々」でいいです。
カラスコ35PⅡ使いですが、買ってみようかな。
  1. 2008/01/19(土) 14:45:14 |
  2. URL |
  3. べっさ #-
  4. [ 編集]

NOKTON35mm

べっささん
コメントありがとうございます。
いやぁ、出ましたねぇ、ノクトン35mmF1.4。
ワタシもカラスコ35mmF2.5PII使いですが、
とても魅力的なスペックで慌てております(笑)。
  1. 2008/01/20(日) 01:24:36 |
  2. URL |
  3. うっちー #oBF86JTA
  4. [ 編集]

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