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うっちーの時々かめらまん

たまにしか写真を撮らない「時々かめらまん」。日本とブラジルで時々撮った写真をUPします。ご笑覧いただけると幸いです。

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Michael Breckerの思い出


写真とは関係ないのだが、今日は名ジャズサックス奏者、マイケル・ブレッカーの命日。一周忌である。昨年訃報に接したときはかなり落ち込んだが、今年は日本のファンクラブの面々で集まって故人を偲んだ。そして、日本独自企画として、命日に合わせたベストアルバムも発売になった。リーダーアルバムの中からファン投票によって選曲。我々ファンクラブの面々もせっせと投票したのは言うまでもない。

実はこのファンクラブ、マイケル・ブレッカー・アンオフィシャル・ファンクラブと称して、元々は彼のディスコグラフィーを作る目的で集まったのだが、本人とのプライベートな交流にまで発展し、来日時には楽屋を訪れたり食事会を催したりした。昨年の夏、実兄のランディー・ブレッカーが東京JAZZ 2007で来日し、マイケルゆかりのメンバーによる特別編成バンドでマイケルを偲ぶステージがあったが、コンサートのパンフレットには、驚いたことに我々ファンクラブのことに触れたランディのメッセージが載っていた。

「(略)・・・東京は、マイケル・ブレッカー・ファンクラブのある場所です。それはマイケル唯一のファンクラブだし、日本がいかにマイケルを愛していたか、またマイケルを評価するだけの知性を持っていたことを示しています。これは、マイケルが日本と深い関係を持っていた理由のひとつです。その文化、その美しさ、ミュージシャン達はもちろんですが、何よりも日本のファンを彼は愛していました。彼のキャリアを通じて、またその病の間も彼をサポートしたファン達。あなたたちのサポートと愛が、彼の魂を元気付け、予定よりも長く彼を生き永らえさせ、苦しみと病にもかかわらず、最後のCD「聖地への旅」を録音するチャンスを与えたのでした。これは本当に奇跡で、あなた達の愛とサポートのおかげです。・・・(略)」

いやはや何ともお兄さんに我々のことをしゃべっていたとは知らなかった。「病の間も彼をサポートした」とは、闘病中に寄せ書きを送ったことを指しているに違いない。後半はちょっと歯の浮くようなお世辞で面映いが、ありがたいコメント、感謝感激である。実は我々ファンクラブにはストイックな方針があって、ミーハーなファンにはならない、したがってサイン攻めしたり記念撮影を目的にしたりしない、一方で、彼がくつろげるよう最大限の配慮をする、話題にしろ接し方にしろ・・。ところが、マイケル自身は写真好きなものだから早く記念写真撮ろうよと本人が言い出したり、わざわざホテルの自室まで自分の新譜を取りに戻って、食事のお礼にサイン入りでみんなにプレゼントするよ、と言い出したり・・(笑)。そのサイン入りCD、ストイックな方針に従って、一同、「もうその新譜は買っちゃって持っているからいらない」なんて言ってしまい、マイケル唖然・・。結局、ファンクラブ代表のH氏が見かねて「じゃ、一枚だけください」と言ったオチがついている。今から考えれば、もらっときゃよかったなぁ、とみんなで後悔しているのだが、まあ、もらわなかったこと自体、いい思い出でもある。

彼と会ったときの話題はやはり彼の音楽に関するものが多くなったが、私はあえてその話題にはあまり参加せず、別の音楽の話題、たとえば同じ白人名テナー奏者だったスタン・ゲッツをどう思うか、とか、スティーブ・ガッドの4ビートはどう思うか、なんて質問をした。スタン・ゲッツは私の大好きなテナーなのだが、彼とは時代もスタイルも全く異なり、あからさまに非難はしないにしても、ソフト過ぎる、とか、もう過去の人だ、といったコメントが返ってくるだろうと予想した。ところが、彼はスタン・ゲッツを絶賛していて、彼は天才だ、音は綺麗だしどんなキーでも演奏できてすばらしい、というリアクションが即座に返ってきたのには正直驚いた。ほんとはマイケルの方がどんなキーでも演奏できるのじゃないかと思うのだが、「何をおっしゃいますか、貴方の方がよっぽどAny key is OKじゃないですか」と言ったら、「いや、彼はその場で即座にどんなキーでも演奏できる。僕は事前に練習していないと出来ないよ」と謙遜していたのが印象的だった。更には、昔のアルバムの写真を指差しながら、「昔は随分髪の毛がありましたねぇ」なんて茶化したり、e-bayのオークションの話題では、自分が使っていたマウスピースを代理人に託して出品したら、信憑性を疑われたのか、ちっとも高く売れず儲からなかった、なんてことも言ってたっけ。「Wide Angles」という新譜の話では、ヨーロッパで「Wild Angels」なんて紹介されてる、ってな話題で爆笑したり・・。



CONTAX RX Distagon T* 28mm F2.8 TLA-280 AE SUPERIA Venus 400(部分トリミング)
2003年昼食会にて


ジャズの歴史において彼が遺した偉大な功績はグラミー賞13回受賞をはじめ、これからも語り継がれるだろうが、わずかながらプライベートの彼と接した我々が強調したいのは、彼の類まれなる人間性のすばらしさである。お茶目で謙虚で真面目なマイケル・・。日本人同士だってよっぽど親しくなきゃ頭が禿げてるなんて話題は切り出しにくいのが常だが、ついついそんな話題にも触れてしまえる雰囲気を持っていたマイケル・・。そして兄ランディの言葉を信じれば、そんなフランクな交流をマイケルも楽しんでくれていたらしい・・。もっともっとそうした交流を続けたかった。そして、彼の素晴しい音楽をもっと楽しみ、素晴しい人間性にもっと触れたかった。しかしながら、それはもうかなわぬことである。

ある音楽評論家の方の追悼コメントに、
「マイケル・ブレッカーはジョン・コルトレーン以降、ジャズサックスの更なる可能性を様々な形で提示した。このまま彼がそれを深化させたら、後世のジャズサックスプレイヤーはやることがなくなってしまったかもしれない。神様は、様々な可能性を示した時点で彼を天に迎え、後世の演奏家に仕事を残したのだ」
というのがあった。けだし名言である。たとえば、「Directions in Music(2002年)」に収録されているコルトレーンの名曲「Naima」における彼の無伴奏ソロは、明らかにコルトレーンを超えた世界を提示している神がかった演奏だと思ったが、まさかそれが彼の死を呼び寄せていたとは・・。しかしながら彼の遺したジャズサックスの新しい可能性を更に深化しうる演奏家は、あと十年ぐらいは登場しないのではないか、という気がしてならない。それぐらい、圧倒的に時代の先を行ってしまっていた気がする。そして、そんな偉大なマイケル・ブレッカーとわずかながらも交流できたことは一生の思い出である。


演奏にご興味がおありの方はこちら・・。


YouTubeで見つけたマイケルの「Naima」

ちなみにこちらはオリジナルのコルトレーンの「Naima」

ついでにスタンゲッツのバラード演奏もおひとつどうぞ


関連記事

Tag : Distagon28/2.8

  1. 2008/01/13(日) 20:00:00|
  2. おんがく
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:6
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コメント

追悼

こんばんは、
私も昨年の突然のマイケルの訃報には驚くと共に落ち込みもしました。
初めて聴いたのは20年近くも前でしょうか、当時はストレート・アヘッドなジャズばかり
聴いていたので、The Brecker Brothers時代のはそんなに聴きこんではいなかったですが、
初リーダー作「Michael Brecker」以降のアルバムは「すごいなぁ」と
思うようになりましたね。印象に残ってるアルバムは「The Brecker Brothers」「Michael Brecker」「Tales from the Hudson」続く「Two Blocks from the Edge」あたりでしょうか。
  1. 2008/01/14(月) 02:04:57 |
  2. URL |
  3. ガンジー #II6poHiE
  4. [ 編集]

昨日

昨日CDショップに、ベストアルバムが飾っており、そう言えばと思い帰ってから、うっちーさんのサイトを見ると、13日が一周忌だったのですね。
お気持ちお察しいたします。
私はロックミュージックそしてフュージョンといった方向から聞き始めたということで、The Brecker Bros. のHeavy Metal Be-bopのジャケットが印象に残っています。
  1. 2008/01/14(月) 04:15:58 |
  2. URL |
  3. 246g #-
  4. [ 編集]

4ビート

ガンジーさん
コメントありがとうございます。
ワタシもフュージョンはあまり聴かなかったのですが、
彼が4ビートをやった六本木ピットインのSTEPSは
聴きに行きました。ジャンルが何であれ、まあとにかく
とんでもないテクニックはいつ聴いても驚かされます。
  1. 2008/01/15(火) 12:39:37 |
  2. URL |
  3. うっちー #oBF86JTA
  4. [ 編集]

ベスト盤

246gさん
コメントありがとうございます。
このベスト盤は日本限定だそうです。タワレコなどの
量販店で「特典付」とシールの貼ったやつをレジに
持っていくと、16ページの小冊子をくれるそうです。
ファンクラブ代表のH氏や世話人のA氏も寄稿している
そうです。我々ファンクラブの面々は、演奏は元のCD
を持っているので、「CD付小冊子を買わなきゃ」
と口々に言っておりました(笑)。
  1. 2008/01/15(火) 12:45:09 |
  2. URL |
  3. うっちー #oBF86JTA
  4. [ 編集]

ブレッカー

マイケル・ブレッカーについてのコメント、たいへん興味深く読ませていただきました。
抑制の効いた文章からマイケルの人柄がしのばれます。マイケルのおかげでテナーのテクニックは一気に進んだと言われていますね。
ブレッカーブラザースの超絶演奏もスゴイのですが、個人的には James Taylor や Dire Straits と共演したときの音色にノックアウトされました。
個人的に親しい Mike Stern(g) によると「マイケルほどストイックでジェントルなヤツはいない」とのことで、確かにそんな感じですね。
彼を超えるテナーは今後現れることはないのかもしれません。
  1. 2008/04/21(月) 20:45:30 |
  2. URL |
  3. Nozomi #HRdLfoeM
  4. [ 編集]

ストイックでジェントル

Nozomiさん
コメントありがとうございます。
マイクスターンのマイケル評、「ストイックでジェントル」
まさに言いえて妙です。超一流の人間は謙虚ですね。
彼の音楽の偉大さだけでなく、「ストイックでジェントル」な
人柄も後世に語り継がれるべきだと思います。
そのあたりの話しはCD付き小冊子にも書かれています。
  1. 2008/04/22(火) 00:15:20 |
  2. URL |
  3. うっちー #oBF86JTA
  4. [ 編集]

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